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第Ⅱ部    雇用の質の充実を通じた豊かな生活の実現に向けた課題
第1章    経済社会の変化と雇用の現状
第2節    経済社会の変化と労働者生活
1)    賃金・所得
(世帯所得も1997年以降減少、分散が拡大)


次に、所得水準を世帯単位でみることとしよう。

厚生労働省「国民生活基礎調査」により1世帯当たりの平均年収(物価変動を考慮した実質水準)をみると、1997年以降6年連続で減少している(付1−(2)−7表)。これは世帯人員1人当たりでみてもほぼ同様の傾向となっている。

次に所得水準別の世帯分布をみると、これもばらつきが拡大する動きとなっている(第1−(2)−10図)。1992年調査から2002年調査にかけての分布の変化をみると、年収450万円未満の世帯の割合が4.8%ポイント、年収1200万円以上の世帯の割合が0.5%ポイント上昇したのに対して、年収450〜1,200万円未満の世帯割合が5.3%ポイントの低下となっている。雇用者の年収分布よりも高所得層の割合の上昇が少なく、低所得層の割合の上昇が幅広く起こっているが、このような世帯の所得分布の動きは、雇用者の賃金分散の拡大に加えて、高齢の無業者世帯の増加や、平均世帯人員数の減少に伴う1世帯当たりの有業人員数の減少がおこっていることを反映していると考えられる(付1−(2)−8表)。

第1−(2)−10図 年収階級別世帯数割合

また、厚生労働省「所得再分配調査」によると、家計所得の分散の程度を示す「ジニ係数」は、1990年調査の0.3643から2002年調査には0.3812まで高まっており、分散が拡大していることを示している(第1−(2)−11表)。

第1−(2)−11表 ジニ係数の推移

ジニ係数

ジニ係数とは、所得格差の大きさを表す代表的な指標である。

世帯数の累積比率を横軸に、所得額の累積比率を縦軸にとって描いた曲線をローレンツ曲線というが(下図参照)、この曲線は、所得が完全に均等に分配されていれば、原点を通る傾斜45度の直線(均等分布線)に一致し、不均等であるほど直線から遠ざかる。一世帯が所得を独占し、他の世帯の所得が0である完全不均等の場合には、ローレンツ曲線は下図のABC線となる。

ジニ係数は、ローレンツ曲線と均等分布線で囲まれた面積の均等分布線より下の三角形に対する比率によって、分配の均等度を表したものである。このためジニ係数は0から1までの値をとり、0が完全に平等であり、1に近づくほど所得分配の不平等度が高いことを示す。

なお、厚生労働省「所得再分配調査」によるジニ係数は、世帯単位での所得格差を示すものであるが、世帯人員数を考慮して1人当たり実質所得に換算すると我が国のジニ係数は0.322(2001年)であり、先進主要国の中では中程度となる。

図 ローレンツ曲線


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