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第二部    各  論
四   労働者の生活状態
(一)   家計収支
(3)   家計収支バランス


ところで,以上のような収入と支出の状況の結果として,家計収支バランスは三二年に入っていっそう改善の傾向な強めた。すなわち三二年平均の実収入と実支出との差額(黒字額)は,前年の三,二三三円より四八五円増加して三,七一八円となり,実収入に対する比率(黒字率)では,前年の一〇・五%から一一・四%に向上した。たゞし,このような家計収支バランスの改善は実収入の増加が大きかった下半期にみられたもので(下半期平均の黒字率は一三・六%),上半期平均の黒字率は八・六%と前年同期の八・九%を若干下回っていた(第一三七表参照)。

第137表 収支バランスと黒字の処分状況

また,黒字の処分状況をみると,「貯金」,「保険」,「その他」(住宅の増改築や有価証券投資等)等の貯蓄的部分の増加が著しく,三二年平均では,前年より二四・五%の増加となった。なかでも「貯金」の増加が顕著で,三八・四%増と前年の三二・五%増をさらに上回り,一,三八三円となった。これに対して「借金返済」,「掛買払」等のマイナスの貯蓄部分は前年より二・四%減となり,手持金(繰越金)も三・四%の減少を示した(第一三七表および第三二図参照)。

第32図 黒字とその処分状況

このような黒字処分状況にあらわれた貯蓄部分の増加,マイナス貯蓄部分の減少,手持金の減少という動きは,貯蓄性向がいつそう強まっていることを意味しているのであるが,いま,実収入に対する前記の貯蓄的部分の割合(貯蓄率)でみても,三一年平均の六・九%に対して三二年は八・一%とかなりの高まりを示している。


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